ドル安基調に風向き変化、調整的なドル高も(4/27夕)

27日の東京市場はドルが小高い。一時20日以来の高値である108.30円台まで上昇する局面も観測されていた。

ドル安基調に風向き変化、調整的なドル高も(4/27夕)

ドル安基調に風向き変化、調整的なドル高も

〇本日のドル円、一時108.30円台まで上昇するなどドルが小高い展開
〇新型コロナ、アメリカがインドへの緊急支援を進める考え示す
〇本日の日銀の金融政策決定会合、政策金利の維持などほぼ予想通りの内容となる
〇先週はレンジを切り下げる展開だったドル/円、風向きの変化感じさせる、短期的にドルは底堅く推移か
〇米経済指標や企業決算の内容、日本のゴールデンウイークをにらんだカレンダー要因にも注意
〇本日から2日間の日程でFOMC開催、4月消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.80-108.80

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はドルが小高い。一時20日以来の高値である108.30円台まで上昇する局面も観測されていた。

ドル/円は108.05-10円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。108.00-20円といったレンジ取引をたどるも、上抜けると日中高値である108.35-40円までドル高が進展している。週末にかけての日本のゴールデンウイークをにらんだポジション調整なども取り沙汰されていたという。しかしドル高は長く続かず、そののち軟落。16時現在では108.20円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日銀会合」について。
前者、新型コロナの感染への対応は、同じ欧州であってもドイツとフランスのように真っ二つの結果となっているが、昨日もイタリアは感染が沈静化しつつあるとの見方から、大部分の地域で飲食店や映画館などの営業が再開されたことを明らかにした反面、トルコは29日から「全国のロックダウンを実施する」と発表していた。一方、アジアにおいてインドは引き続き苦境に立たされており、そうしたなか実施された米印首脳の電話会談で、バイデン氏がインドで不足が深刻化している医療用酸素のほか、ワクチンの原料や薬などの緊急支援を進める考えを伝えたという。
対して後者は、本日昼ごろ、日銀は金融政策決定会合の結果として「政策金利の維持」と発表したほか、「物価見通しは下方修正」、「景気は基調としては持ち直している」などと指摘していた。内容的には、ほぼ予想通り。なお、そののち実施された記者会見で黒田総裁から「新型コロナを注視、必要なら躊躇なく追加緩和」、「消費者物価は当面、小幅のマイナスで推移する」といった発言が聞かれていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週のドル/円相場は、連日のようにレンジを切り下げる展開をたどっていたが、昨日その連鎖が崩れた。先週末安値107.48円を昨日更新できなかっただけでなく、日足の足形も陽線引けとなるなど、風向きの変化を感じさせる。このままドルがイケイケドンドンの戻りをたどるとも思えないが、ドルの下値トライも一旦時間切れか。短期的にドルは底堅く推移する可能性も否定できない。
材料的には、引き続き広義の米ファンダメンタルズ要因にまずは注目。具体的には、発表される米経済指標や企業決算の内容が注視されており、とくに後者については本日から明日にかけて発表されるアルファベット(グーグルの親会社)やマイクロソフトなどテクノロジー企業の決算が大いに関心を呼んでいる。また、それとは別に前段で取り上げた日本におけるゴールデンウイークをにらんだカレンダー要因、為替需給の変化にも一応要注意かもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はフィボナッチサポートの107.75-80円を一時割り込んだうえ、日足は一目均衡表の先行帯の雲の中に埋没してきた感が見られたものの後者については、そののち動きを解消してきた。足もと日足は雲の上へと顔を覗かせている。雲の上限が再びサポートになるのか否か注目だ。
なお、そんなドルの目先の抵抗は108.80円レベルで。超えれば109円台回復もみえてくる。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、4月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債などの入札が見込まれており、それらには要注意。また、結果が明らかになるのは現地時間の明日になるが注目のFOMCが本日から2日間の日程で始まる予定だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.80-108.80円。本日東京高値にあたる108.35-40円の攻防にまずは注目。超えてくれば108.80円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末安値107.48円が幾分遠のいた感があり、短期のサポートは108円前後か。割り込んでも107円台後半にサポートは多く底堅そう。

ドル安基調に風向き変化、調整的なドル高も

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る