リスクはドル安方向、ただ週末調整にも注意(4/23夕)

23日の東京市場は引き続きレンジ取引。終日を通して20ポイント程度という狭い値動きのなか、本日も「前日安値をわずかながら更新」する局面が観測されていた。

リスクはドル安方向、ただ週末調整にも注意(4/23夕)

リスクはドル安方向、ただ週末調整にも注意

〇本日のドル円、20ポイント程度のレンジ取引だが、一時前日安値をわずか下回る局面も
〇昨日のECB政策金利発表、政策金利などは予想通りの据え置きとなる
〇新型コロナ感染拡大、国によって対策などにかなりの温度差が観測されている様子
〇ドル円、107.75-80をめぐる攻防に注目、その一方で週末の調整的なドル買戻しを警戒する声も
〇昨日発表された米経済指標は良好であったが、米富裕層へのキャピタルゲイン増税関連報道に要注意
〇本日、4月製造業PMI速報や3月新築住宅販売件数発表、気候変動サミット出席者らによる発言にも注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.50-108.40

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は引き続きレンジ取引。終日を通して20ポイント程度という狭い値動きのなか、本日も「前日安値をわずかながら更新」する局面が観測されていた。

ドル/円は107.90-95円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。週末ならびに実質的なゴトー日ということで仲値不足観測なども取り沙汰されたが結局不発に終わった。前述したように、一時昨日安値をわずかながら下回るも、ドル安は加速せず。結局、107.80-00円という20ポイント程度のレンジ取引に終始している。16時現在では107.90円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ECB金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日の注目材料だったECBによる政策金利が発表され、政策金利などは予想通りの据え置き。また、市場筋のあいだで注視されていたPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)は「現状維持」と発表されたうえ、のちにラガルド総裁が「段階的縮小の議論はしなかった」と発言している。ちなみに、そのラガルド氏は「ユーロ圏経済が新型コロナウイルスの危機を脱し始める兆しが見られている」などと明るい見通しを口にしたものの、刺激策の終了には「時期尚早」と慎重な見解を述べていた。
対して後者は、世界的な感染拡大はいまだ続いており、アジア圏で言えばインドが苦境に立たされている。昨日も、英国が感染防止策の一環として、「23日からインドからの渡航者の入国を禁止する」と発表していた。ただ、その一方、フランスはカステックス首相が、記者会見で「新型コロナの第3波は過ぎ去った」と述べたうえで、国内の移動制限を5月3日に解除する旨を明らかにしている。国によって、対策などにかなりの温度差が観測されている感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は飽くまでじりじりとした動きながら、本日も前日安値を一時更新するなど下落が止まらない。それを受け、ドル/円の週足はというと、週間レンジは1円強と狭いものの、「寄り付き高・大引け安」に近い格好となる公算が高まってきた。いずれにしても、再三再四レポートしている年初来安値102.60円を起点としたフィボナッチのサポート107.75-80円をめぐる攻防がまずは注目されている。ただ、その一方、週末ということでの調整的なドル買戻しを警戒する声も聞かれていた。
材料的には、広義の米ファンダメンタルズ要因が注視されているようだ。昨日発表された米経済指標は良好だったうえ、個人的に懸念していた米航空会社の決算もワクチン普及から業績回復の兆しがうかがえている。ただ、そののち伝えられた「米富裕層へのキャピタルゲイン増税」懸念が足かせに。本日も関連報道などには要注意。また、本日までの予定となっている「気候変動サミット」も波乱要因となりかねない。米露首脳などによる発言機会も見込まれているだけに、内容如何では思惑を呼ぶ可能性も否定できないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日の直近安値更新で、リスクという意味では引き続き下方向にバイアス。非常にじりじりとした動きで、過熱感が生じにくいようにも思われる。欧米時間にかけ、ドルはさらなる下値を試す展開も。
そんなドルの次の下値メドは、フィボナッチサポートの107.75-80円。近いレベルには一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置している。それらをしっかり割り込めるのか否か、攻防にまずは注目だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、4月の製造業PMI速報や3月の新築住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、米決算発表などにも引き続き要注意。そのほかでは、前述した「気候変動サミット」出席者らによる発言などが波乱材料になりかねないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.50-108.40円。ドルは下値が切り下がると同時に上値も少しずつ切り下がっており、まずは108.25円レベルが最初の抵抗か。超えてくれば108円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で再び更新した安値107.80円を含めた107.75-80円をめぐる攻防に注目。割り込めば107円前半、オーバーシュートすれば106円台も否定できない。

リスクはドル安方向、ただ週末調整にも注意

ドル円日足


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