一時108円割れ示現するも、下値は追い難そう(4/20夕)

20日の東京市場は結果としてドルが小じっかり。一時ドル安が進行、108円割れを示現したものの、その後は一貫して買戻しが優勢だった。

一時108円割れ示現するも、下値は追い難そう(4/20夕)

一時108円割れ示現するも、下値は追い難そう

〇ドル円、一時108円を割り込むがドル安続かず、その後ドルが買い戻され108.45-50まで戻す
〇本日おおむねドル安・円安の展開、ユーロ・ポンド・豪ドルなどが堅調裡
〇露・ウクライナ情勢等のロシアの動きやイランの核合意協議に関する報道、相次ぐ
〇本日は新規要因に乏しいく手掛かり難、新型コロナやワクチン接種に関する報道などに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.10-109.00

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は結果としてドルが小じっかり。一時ドル安が進行、108円割れを示現したものの、その後は一貫して買戻しが優勢だった。

ドル/円は108.10-15円で寄り付いたのち、ドル安が進行すると108円割れを記録した。しかしドル安は続かず、むしろドルの買戻しが優勢に。とくに夕方にかけて積極的に買い進められ、日中高値の108.45-50円をつける。16時現在でも、ドルは日中高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。
なお、本日はおおむねドル安、円安の展開で、対照的にユーロやポンド、豪ドルなどが堅調裡。たとえば、ユーロ/ドルは3月3日以来の高値である1.2070ドル台を一時示現していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「イラン情勢」について。
前者は、EUのボレル外相が「ロシアはウクライナとクリミアの国境付近に15万人を超える軍部隊を集結させている」と述べたうえで、強い危機感を示すコメントを発するなか、ロシア大統領府が「プーチン氏は22日、米国主催の気候変動サミット出席し演説を行う」と発表している。後者については、関係が悪化している米露間の対話があるのか否かにも注目だ。なお、それとは別に、米ホワイトハウスはサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、ロシア大統領機関である安全保障会議のパトルシェフ書記と電話会談を行ったことを明らかにしていた。
対して後者は、「核合意協議」について、EU外相から「米イラン間接協議は進展が見られる」との発言が聞かれた反面、イランサイドは、同国政府高官が「中間合意」の可能性を示唆。ともにポジティブな要因ながら、一方でイラン高官は「困難な問題が残っている」とも述べており、協議がさらに順調に進むかどうかの難しさも改めて示されていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間に108円割れ。先月末に高値110.97円を示現後の安値を更新する展開で、目先高値から3週間で3円ほどの下落をたどっていることになる。年初来のドル上昇期間が約3ヵ月、上昇幅が8円超だったことを考えると、期間・下落幅ともにもう少し下げ余地がありそうだが、果たしてどうか。前述したように、108円割れ示現後の急速な戻し、50ポイント程度をアッサリと戻してきたことはやや気に掛かる。あまり下値を積極的に売りたくはない雰囲気だ。
材料的には、本日もこれといった要因が見当たらないなか、発表される米企業決算ならびに新型コロナに関する話題、とくにワクチン接種や副反応などに関するニュースに要注意。とくに後者、ワクチン接種については昨日、「米ファイザー社がEU向けに1億ダースのコロナワクチンを追加供給することを決定した」との報道が観測され、それを好感しユーロが買われたとの解説も聞かれていただけに、本日も関連の動きなどには注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はこれまで底堅さを醸していたサポートの108.30-40円に続き、本日東京時間には一時108円割れも。年初来安値102.60円を起点とした上昇に対するフィボナッチでは、次のターゲットである107.75-80円も視界内に捉えられた感を否めない。
ただ、108円割れ示現後のドル戻りが非常に早く、あっという間に50ポイント程度の急反発。これからすると、ドルの下値を積極的に売り込んでいくのもリスクがありそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、これといった米経済指標の発表や地区連銀総裁による講演なども予定されておらず、手掛かり難の様相だ。ただ決まり事としての材料は乏しいが、中国を中心とした国際情勢、あるいは新型コロナやワクチン接種に絡む報道などには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.10-109.00円。本日東京時間の終盤に記録した高値108円半ばが最初の抵抗に。超えてくれば109円前後がターゲットになりそうだ。
対するドル安・円高方向は、少し遠くなったが本日東京安値の107.95-00円がサポートとして意識されている。割り込めばフィボナッチサポートの107.75-80円が視界内に捉えられる。

一時108円割れ示現するも、下値は追い難そう

注:ポイント要約は編集部

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