日米首脳会談注視、ドル安の持続性如何に(4/16夕)

16日の東京市場はレンジ取引。一時ドル買いが優勢となったものの続かず、108円後半では上げ渋った。

日米首脳会談注視、ドル安の持続性如何に(4/16夕)

日米首脳会談注視、ドル安の持続性如何に

〇本日のドル円、一時108.95レベルへ値を上げたが109円を超えられず、その後108円後半での保ち合い
〇本日開催の日米首脳会談への関心高い、市場の波乱要因となるか
〇ドル円、レンジを下放れしたがドル安進行は牛歩、ドル下値トライの持続性が試される
〇良好な米経済指標や株高などドルの支援要因が目に付く状況、トレンド転換にも要注意
〇本日は日米首脳会談の他、3月住宅着工件数・4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは108.40-109.40

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場はレンジ取引。一時ドル買いが優勢となったものの続かず、108円後半では上げ渋った。

ドル/円は108.70-75円で寄り付いたのち、日中安値である108.60-65円へと小緩む。しかし、安値を示現後は逆にドル買いが優勢となった。108.95円レベルへと値を上げている。とは言え109円を超えられず、上値トライが失敗した感もあり、その後は108円後半での保ち合いに。16時現在では108.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日米首脳会談絡み」と「東京五輪」について。
前者は、16日に開催される日米首脳会談に絡むニュースや憶測記事などが相次ぐ。たとえば、中国外務省は議題のひとつになるとみられる「台湾情勢」について、「米国は台湾問題について慎重に発言し、行動するよう求める」とした先制パンチを繰り出している。また、米紙WSJは「バイデン氏の対中強硬姿勢が日本を悩ましている」などと報じ、二国間の対立に日本が巻き込まれる不安を指摘していた。
対して後者は、昨日河野行革相が「いつもの五輪とは違う方法になるだろう」と述べたうえで、無観客開催の可能性を示唆。それに続き今度は、自民党の二階幹事長が新型コロナウイルスの感染状況次第で中止もあり得るとの見解を示したとされ、物議を醸していた。そんな日本サイドの状況を受けてか、英医学誌BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)は、今夏の東京五輪・パラリンピックについて、日本政府など運営サイドの開催能力を疑問視。そのうえで、「今年の夏に開催する計画は緊急に再考されなければならない」と訴える論文を掲載している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先日レンジを下放れしたものの、その後のドル安進行は牛歩だ。遅々として進まない状況となっている。引き続きリスクという点では下方向にバイアスがかかりそうだが、果たしてどこまで下がるのか。3月半ばなどに揉み合った108.30-40円では底堅そう。むしろ目先の下値を確認後、来週にかけては再びドルの買戻しが優勢になるとの見方をする向きも少なくなかった。
材料的には、実施される日米首脳会談への関心が高く、市場の波乱要因。もちろん予断は許さないが、とくに新味もないなか、順調に通過すれば、ここ最近発表される米経済指標は良好かつ米企業決算も全般的に明るい。NYダウをはじめとする米株は堅調推移をたどるなど、ドルの支援要因ばかりが目に付くだけに、終了後は再びドル高が進行しても不思議はないのかもしれない。なお、日米首脳会談は日本時間17日未明から実施され、終了後には両首脳がそろって会見を実施する見込みだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円はここ数日下値を切り下げているものの、そのスピードは極めて緩慢。牛歩と言ってもよい。昨日安値の108.61円や108.30-40円で下げ止まるようだと、そののち再び流れが反転しても不思議はないだろう。ドル下値トライの持続性が試されており、米長期金利や株価の動きをにらみつつ、トレンド転換にも一応要注意。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、3月の住宅着工件数や4月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値といった注目度の高い米経済指標が発表される予定だ。また、モルガン・スタンレーをはじめとする米決算発表などにも要注意。しかし、やはり最大の注目要因は日米首脳会談で、日本時間17日未明以降の情勢には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.40-109.40円。上方向は本日東京で超えられなかった109円、あるいは109.10円レベルも弱い抵抗として意識されている。超えてくれば移動平均の21日線などが位置する109円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.61円が最初のサポート。下回れば108.30-40円を目指し、それも割り込めば108円前後が視界内に捉えられる。

日米首脳会談注視、ドル安の持続性如何に

ドル円日足



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