ドル円、またしても米国時間に急落。米長期金利の低下とポジション調整が重石
〇ドル円米長期金利急低下により急落、1週間ぶり安値109.68をつける
〇ユーロドルは一時1.1878まで急伸、イースター明け欧州市場では独DAX指数史上最高値更新
〇ドル円終値ベースで110円を下回りテクニカルに短期下落リスク警戒される
〇ファンダメンタルズも好調な米指標がドル買いにつながらず、米長期金利低下を通じてドル売られる
〇本日は発表となるFOMC議事要旨に注目
〇本日の予想レンジ:109.20ー110.10
海外時間のレビュー
6日(火)の外国為替市場でドル円は急落。欧州時間朝方にかけて、日通し高値110.56まで上値を伸ばすも、心理的節目111.00をバックに戻り売りが強まると、米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは1.715%→1.654%へ急低下)や、上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(心理的節目110.00や前日安値109.96を下抜けたことに伴うロスカット)が重石となり、米国時間にかけて、3/29以来、約1週間ぶり安値となる109.68まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、109.75近辺で推移しております。尚、国際通貨基金(IMF)は昨日、世界経済成長率見通しの上方修正を行いましたが、相場への影響は限られました(世界:5.5%→6.0%、米国:5.1%→6.4%、中国:8.1%→8.4%)。
6日(火)の外国為替市場でユーロドルは急伸。イースター休暇明けの欧州株式市場が堅調な値動きとなったこと(独DAXが史上最高値を記録)や、米長期金利の低下を受けたドル売り圧力、短期筋のショートカバー(ドルロングの投げ+ユーロショートの巻き戻し)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、3/23以来、約2週間ぶり高値となる1.1878まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.1877近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時109.68まで急落するなど、約1週間ぶり安値圏へと沈みました。終値ベースで心理的節目110.00を下回ったこと、ローソク足が一目均衡表転換線を下抜けしたこと等を考慮すれば、短期的に見て、ダウンサイドリスクが警戒されます(中長期的なドル高・円安トレンドは継続も、短期的には続落リスクに要警戒)。ファンダメンタルズ的に見ても、先週末以降、良好な米経済指標が発表されても、「米景気回復期待→米早期テーパリング観測→米長期金利上昇→ドル高」に繋がらず、むしろ、米景気回復期待が米長期金利の低下を通じてドル売りに繋がる波及経路が見られるなど(相関の変化)、
年初来続いてきたドル高・円安トレンドに一服感が見られる状態です(市場参加者のポジションが過度にドル高・円安に傾いていることもポジション調整を誘発し易い地合いの一因)。以上を踏まえ、当方ではドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします(本日はFOMC議事要旨に注目。テーパリングに関する議論が出ていなければ、米長期金利低下→ドル売りの流れが一段と加速する恐れあり)。
本日の予想レンジ:109.20ー110.10
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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