新規材料乏しいなか、さらなる調整の進展も(3/19夕)

19日の東京市場はドルが小安い。一時109円台を回復する局面も見られたが続かず、夕方に掛けては逆にじり安推移をたどっていた。

新規材料乏しいなか、さらなる調整の進展も(3/19夕)

新規材料乏しいなか、さらなる調整の進展も

〇ドル円、一時109円台を回復する局面も見られたが続かず、ドルが小安い展開
〇バイデン氏のプーチン氏を巡る発言など、米露の関係悪化を予感させる行動も
〇米中外交トップ会談、双方の批判コメント相次ぎ波乱の様相
〇日米英中銀による政策金利発表終了、目先は新規材料に乏しい
〇今週のドル円値幅わずか74ポイント、上値も重いが下値は堅い、レンジ脱却できるか注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.20

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが小安い。一時109円台を回復する局面も見られたが続かず、夕方に掛けては逆にじり安推移をたどっていた。

ドル/円は108.90円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。一時は109円を超え、109-10-15円まで値を上げている。しかし、注目の日銀会合結果が公表され、日経平均株価が下げ足を速めたことなどが嫌気されると、ジワリとドル売り・円買いが優勢に。その後も黒田日銀総裁から「必要なら躊躇なく追加緩和措置講じる」との発言が聞かれたことなどを材料にさらに円買いが進むと、108.75円前後まで下落し「全戻し」。16時現在でも、108.75-80円で推移するなか欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米露の対立深化」と「米中協議」について。
前者である、17日にバイデン氏が米大統領選に絡めたものとして、「プーチン大統領は殺人者」と発言したことが波紋を広げている。そののち、ロシア側が「対米関係の協議のため自国の駐米大使を本国に召還した」と発表するなど、関係悪化を予感させる行動も。対して米国は、サキ報道官が「バイデン氏、『人殺し』発言を後悔していない」などと、火に油を注ぐようなコメントを発していたようだ。なお、そうしたなかプーチン氏は国営テレビで「バイデン米大統領と19日、もしくは22日に公開オンライン会談を実施することを提案」したことを明らかにしている。

対して後者は、18日に実施される「米中外交トップ会談」に関し、冒頭から双方の批判コメントが相次ぐなど波乱の様相を呈する。たとえば、米国側は「中国の行動が世界の秩序を脅かしている」とし懸念を表明した反面、中国側は楊共産党政治局員が「米国は軍事力と金融における覇権を用いて影響力を広げ、他国を抑圧している」などと述べ反論。さらに楊氏は「米国には強い立場で中国との対話に臨むという資格はない」とまで断罪したという。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円相場はというと、ここまで値幅はわずか74ポイント。これは今年の週間最小変動にほぼ匹敵する内容だ。また大雑把にいえば、週明けに戻り高値109.36円を示現したものの、週末にかけてドルが弱含むという値動きだった。断定するにはまだ早いものの、これまでのドル高・円安傾向に変化の兆しがうかがえ、さらなる調整の動きにも注意する必要があるだろう。
材料的には、今週注目されていた日米英の中銀による政策金利発表をクリアし、目先は新規材料にやや乏しい。週末ということもあり、前述した材料の振り返りや来週の材料の予習などに力を注ぎつつ、前段で指摘したような狭い範囲内での一進一退が続く可能性もありそうだ。ただ、先でも指摘したように波乱のなか米中外交トップ会談がスタート、またプーチン氏によると米国次第で「米露首脳のオンライン会談」が開催される可能性も。米国を中心とした国際情勢には一応注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は上値も重いが下値は堅い。それは実際、乱高下を経たうえで、今週のレンジが108.62-109.36円にとどまっていることにもうかがえる。東京終盤の動きからすると、下方向の動きに要注意だが、ともかくここまでわずか74銭にとどまっているレンジを脱却できるのか否かがまずは注視しておきたい。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、とくに目立った米経済指標の発表などはなく、要人による講演もそれほど際立って注視されているものはない。基本的には手掛かり材料難か。とはいえ、前段でも取り上げた「米中」や「米露」を中心とした国際情勢、場合によっては実施される要人の会談などには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.20円。上方向は、週明けに109.36円を示現後、ドルの高値が少しずつ切り下がっていることが気掛かり。それからすると、まずは本日東京高値の109.10-15円、そして109.20-25円、109.30円など10銭刻みで小さな抵抗が連続しているようだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である108.75円前後をめぐる攻防にまずは注目。下回ると週間安値の108.62円、さらに108.34円などがターゲットに。

新規材料乏しいなか、さらなる調整の進展も

ドル円日足


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