ドル円、高値圏で一進一退。心理的節目107.00突破が射程圏内
〇ドル円、米追加経済対策期待とワクチン普及期待、米長期金利上昇に一時106.96まで上昇
〇ユーロドル、独1月小売売上高の不冴えに1.20割れを示現するも、その後は1.20台後半に反発
〇ドル円、テクニカルの地合い引き続き強く上昇トレンド継続中、ファンダメンタルズも上昇材料増加
〇本日は米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、ベージュブック要注目
〇本日の予想レンジ:106.40ー107.20
海外時間のレビュー
2日(火)の外国為替市場でドル円は一進一退。@米政府による追加経済対策の成立期待(1兆9000億ドル規模の経済対策案が先週末金曜日に米下院で承認。今週は米上院での審議・採決待ち)や、A新型コロナワクチンの普及期待(米政府は製薬大手メルクがジョンソン・エンド・ジョンソンと提携し、新型コロナワクチンの製造を支援すると発表)、B米長期金利の上昇(米10年債利回りは一時1.45%へ上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、昨年8/28以来、約半年ぶり高値となる106.96まで上昇しました。しかし、心理的節目107.00をバックに伸び悩むと(利食い売りや戻り売りが強まると)、Cロンドンフィキシングに絡むドル売り圧力や、DブレイナードFRB理事による「FRBは忍耐強く対応する」「足元の市場動向(米長期金利)に細心の注意を払っている」等の発言、E米長期金利の低下(米10年債利回りが米国時間朝方に記録した1.45%から1.41%へ低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時55分現在)では、106.75近辺で推移しております。
2日(火)の外国為替市場でユーロドルは下落後に急反発。@欧州当局者によるユーロ高牽制の思惑や、A次回ECB理事会での追加緩和観測、B欧米金融政策格差(欧米金利差の拡大)、Cドイツ1月小売売上高の冴えない結果、D心理的節目1.2000を割り込んだことに伴うロスカットが重石となり、欧州時間朝方にかけて、一時1.1992(2/5以来の安値圏)まで下落しました。しかし、ボリンジャーバンド下限に続落を阻まれると、Eロンドンフィキシングに絡むドル売り圧力や、F欧州委員会による「新型コロナウイルスの迅速承認に向けた方策を加盟国と共に検討する」との発表、G米長期金利の低下が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.2089まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時55分現在)では、1.2085近辺で推移しております。尚、昨日はパネッタECB理事より「利回り曲線のスティープ化に対応する必要性がある」との発言が見られました。
本日の見通し
ドル円は2/23に記録した安値104.92をボトムに切り返すと、昨日は一時106.96まで上昇しました。この間、一目均衡表転換線や200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やバンドウォークも点灯するなど、テクニカル的に見て、更なる続伸を意識させるチャート形状となっております(ダウ理論で見ても、高値と安値を同時に切り上げる典型的な上昇トレンドが継続中)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米政府による追加経済対策の成立期待(米上院での審議・採決待ち)や、A米長期金利上昇と株高の並走(リスク選好ムード)、B良好な米国ファンダメンタルズ、C次回日銀金融政策決定会合(政策点検)でのマイナス金利の深堀余地・明確化期待など、ドル円相場の更なる上昇を期待させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の短期的な上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米2月ADP雇用統計や、米2月ISM非製造業景況指数、ベージュブック等の米国経済イベントに注目が集まります。特に日本時間22:15に予定されている米2月ADP雇用統計が市場予想を上回る結果となれば、週末に予定されている米2月雇用統計への期待感が高まることから、ドル買い・円売りに拍車がかかる可能性もあり注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:106.40ー107.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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