株価や金利動き注視、為替相場も荒れ模様か
〇ドル円、一時106.40-45まで値を上げた後105.85レベルまで下落、再び買い戻されるという乱高下
〇日経平均株価は1,202円下落と大幅安、前日の米主要株価指数マイナス引けの影響か
〇月末になり調整の様相だが、引き続き株価や金利の動きに注意
〇本日、1月PCEデフレーターや2月シカゴ購買部協会景気指数発表、G20財務相・中銀総裁会議も開催
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.50-106.50
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は乱高下。ドルは上下に振れるなかなか激しい変動をたどったが、結局寄り付きレベルへと帰結している。
ドル/円は、106.15円レベルで寄り付いたのちじり高推移。日中高値である106.40-45円まで値を上げた。しかし、その後は一転して反落に転じると106円割れへ。日米株価、とくに終値ベースでも1000円以上下落した日経平均株価の影響が大きく、105.85円レベルまで下落したものの、再び買い戻されるというミニ・ジェットコースター相場をたどっている。16時現在では106.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、トルコリラが冴えない。対円では今年初めて14.20円を割り込むなど、対ドルでも売りがかさむ展開をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「株価大幅安」と「中国情勢」ついて。
前者は、朝日新聞が、「人工知能(AI)を使って最近の日本の株式相場を分析したところ、昨秋から株価が過熱感を帯び、異常な値動きを続けていることがわかった」などと報じるなか、前述したように日経平均株価は大幅安。終値ベースで1202円もの下落となった。基本的には前日に米株3指数すべてがマイナス引け。なかでもナスダックが3%以上と大きく下げたことの影響が大きかったとみられるが、ともかく、世界同時株安への懸念なども聞かれており、このあとについても動静には要注意だ。
対して後者は、中国軍が南シナ海で爆撃演習を実施したと報じられるなか、習中国国家主席は「貧困対策で目標を達成した」などと自画自賛する宣言を発表していた。そんな中国サイドに対し、日豪首脳は電話会談を実施したうえで、「香港や新疆ウイグル自治区での人権状況について、ともに深刻な懸念を示した」ことを明らかにしている。また、米国ではバイデン大統領が米通商代表部(USTR)代表に指名したタイ氏が承認公聴会に臨み、「中国は第1段階貿易合意の約束履行」を迫っていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
2月は金融市場全般が荒れた一ヵ月だったが、月末になり調整の動きなのか、ここ数日はビットコイン、日米株価などが大きな下げに見舞われている。後者について、よもや世界同時株安の可能性は低いとみているが、これまで青天井に近い上昇で「バブル」との発言も取り沙汰されるなか、米10年債の金利が1年ぶりの水準に達するなど、さらなる株安を示唆する要因も少なくないようだ。まだパニック売りが観測されていないことが救いながら、本日の欧米時間も株価や金利の動きには十分な注意を払いたい。
材料的には、発表される米経済指標などが少なくないうえ、開催されるG20財務相・中銀総裁会議などにも要注意。また、月末の最終取引日ということでの需給要因、ロンドンフィキシングなどを警戒する声も聞かれていた。たとえ一時的にせよ、引き続き思わぬ価格変動をたどる可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は前回高値であり、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たる106.22円を昨日しっかりと上抜けてきた。そして本日東京でドルはさらに続伸している。チャートを素直に解釈すれば、リスクはドル高方向で間違いなく、次のターゲットは107円前後か。ちなみに、先のフィボナッチでは61.8%戻しが107.05-10円となる。一本調子かどうかは別にして、ドルのさらなる上値追いにも要注意だ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月のPCEデフレーターや2月のシカゴ購買部協会景気指数といった米経済指標が発表されるほか、英国や欧州を中心とした要人の講演も少なくないようだ。前者はもちろん、後者についても株価などに言及した発言が出るか否かが注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。上方向は、本日東京高値の106.40-45円をめぐる攻防にまずは注目。超えれば名実ともに107円を意識した展開となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京の安値であり、時間足などでも105.80円前後が目先のサポートになっている感。ただ、割り込んでも105円半ばには移動平均の200日線が位置するなど底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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