ドル円急騰
2営業日で5円のドル急騰
ドル円は、金曜雇用統計後に瞬間安値99.99レベルと大台割れの水準から、昨夜NY市場高値104.99レベルまでなんと2営業日で5円ものドル急騰を演じました。金曜の雇用統計がコンセンサスより強かったことをきっかけに、利上げ思惑が完全に後退した株式市場はS&P、NYダウと史上最高値を更新。日経平均株価も米株に追随しつつ与党が大勝した参院選後の経済政策期待で大幅高となり、株高、円安のリスクオフの大幅な巻き返しが起こりました。
短期的ドル反発か
週初の週報に書いたドル円、そして新興国通貨(ランド円、トルコリラ円)の見通しも、この2日間の円独歩安状態で軌道修正を迫られています。しかし、99円台を2度トライして失敗後に5円ものドル高・円安に動いたことだけでは長期的なトレンドが転換したとまでは言えません。1月からの長期的な円高トレンドについては継続しているという見方の中で、短期的にドルが反発しているという認識で良いと思います。
今回のドル円急騰後の動きについてテクニカルな面から分析を行います。ブレグジットから本日までのドル円4時間足チャートをご覧ください。
ドル円4時間足
今の段階では長期的なトレンドに変化無し
ブレグジット当日の安値(99.00)を起点に6月末高値(103.40)までの上げ、そして先週金曜雇用統計後の安値(99.99)までの押しをベースにN波動を考え、フィボナッチ・エクスパンションを計算すると127.2%(161.8%の平方根)=105.59、161.8%=107.12と計算されますが、さすがに金曜の安値から5円も挙げたことを考えると、こられの水準に達する前にいったん押しが入りそうです。
金曜安値99.99から火曜高値104.99までの上げに対する押しをフィボナッチ・リトレイスメントで計算すると38.2%=103.08と計算されますので、いったん103円台前半への押しを挟んだ後に上記105.59をトライする流れというのが、現状ではもっとも可能性が高いシナリオであると考えています。
仮にその後107.12といった水準まで上昇する動きが見えてきた場合、長期的な円高トレンドの見直しをも迫られる可能性が出てきますが、今の段階ではいまだ長期的なトレンドにまで変化は無いと見てよさそうです。
オーダー/ポジション状況
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